これからの若手は大企業よりベンチャー?3つの視点から安定と成長のジレンマを考察

これからの若手は大企業よりベンチャー?3つの視点から安定と成長のジレンマを考察
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時代の変遷と共に、仕事の定義や求められるスキルも変わりつつあります。かつての「安定=大企業」という概念が揺らいでいます。

「入ったら安泰」と言われた大手企業での長期雇用は、今や未来への保証とは言い難くなりました。一方で、新たな挑戦を恐れず、成長と実力を手に入れられる場としてベンチャー企業が脚光を浴びています。

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しかし、「成功者」が語る思考をそのまま自身の選択に当てはめる事はおすすめしません。

大きなリスクを何度も取れる人は失っても再挑戦する体力・気力・財力を持っています。
一方、若手が全資産をかけてリスクを見積もらずに挑戦するのは、ただの無謀です。たまたま無謀な挑戦に成功したような人を見習うのもオススメしません。

筆者は20年間エンジニアとして大企業と中小企業の両方で半分ずつ働いており、現場とマネージャも両方経験しています。
若手の頃に小さな企業で数年間ベンチャー精神を味わったこともあり、4つの企業での仕事を経験しています。

私は現役エンジニア、マネージャー及び採用リクルーターそれぞれの立場から数多くの若手が成長していく姿を見て来ました。

この記事では、安定と成長のジレンマに直面する若手が悩む選択肢に焦点を当て、大企業志向とベンチャー志向のメリット・デメリットを考察します。

ジレンマ1:「大手企業 vs ベンチャー企業」メリット・デメリット

大手企業とベンチャー企業の違いは、安定性と成長のトレードオフにあります。大手企業は普段の業務において中長期的な安定性があります。その一方で事業規模が大きいため、業界の大きな構造変化に対し1人の個人では成す術も無く望まぬ変化を強要される事も多いです。

ベンチャー企業は、自己成長と事業の成長はある程度自分の頑張り次第で伸ばす事ができ、やりがいに繋がりやすいです。その一方で、数年後を見通せるベンチャー企業はほぼ無く、不確実性を抱えながら仕事を進めていく必要があります。

大手企業はかつて、安定性と長期的なキャリアを築く手段とされてきました。しかし組織の変革や競争の激化により大手企業における長期雇用の保証が揺らぎ、40歳を超えた段階で変化を強要され路頭に迷うベテラン社員が続出しました。

大手企業のメリットが薄れてしまったのです。

それに対しベンチャー企業は不確実性を抱えながらも、若いうちから挑戦と成長の機会があります。大手企業であっても1つの企業で長く働く事が困難となった今、ベンチャー企業で働くことは、新しいスキルや経験を獲得し、柔軟性と創造性を養うチャンスと捉えられるようになりました。

若手が企業を選ぶジレンマは、安定性と成長のバランスをどう取るかという選択と考える事ができます。これからのキャリア選択において、一つの枠組みに囚われず、自身の目指す方向性や価値観を見つめ直すことが重要です。

ジレンマ2:「安定な仕事選択 vs リスクを取る勇気」で揺らぐ

安定性を重んじるか、それともリスクを覚悟して挑戦するか。この二者択一は、新卒~30代までの若手が直面し続ける最も難しい問題の一つです。

安定した仕事は安定した給与や福利厚生により精神的な安心感をもたらします。これは安心してスキルや経験を積むチャンスでもあります。しかし、この安定性は時として成長や挑戦の機会やモチベーションを奪い、個人の成長にブレーキをかけることも多いです。

一方で成長のためにリスクを取ることは新しい道を開きます。当然失敗する事もありますが、失敗からの学びが大きな成長に繋がることも少なくありません。日々少しずつリスクを取りながら成長することは自己成長や自己実現に繋がり、将来の転職やキャリアパスをより豊かなものにする武器にもなります。

ここで重要なのは無謀なリスクではなく、計算されたリスクの取り方です。小さなリスクを積み重ね、失敗した場合のリカバリー策を持つことが大切です。失敗した時のリスクを最小限にし、その失敗からの教訓を活かすスキルは、挑戦を繰り返す上での重要な要素です。

安定した仕事とリスクがあるが成長に繋がる仕事にはそれぞれ利点と欠点があります。安定した仕事に就きながら社内で小さなリスクを取り挑戦・成長する方法もありますし、副業でリスクのある大きな仕事に思い切ってチャレンジしてみるという手段もあります。

多様性が認められる現代では成功への道は一つではなく、自身に合ったリスクと安定のバランスを見つけることが重要です。

現代に求められるスキル:リスクを取る際のバランス感覚

リスクを取る際には、勝率や失敗時の損失、期待値などを見極めるバランス感覚が不可欠です。成功を望むならば、冷静な判断と計算された行動が欠かせません。

リスクを取る際は、勝率を見極めることが重要です。闇雲にリスクを取るのではなく、成功する可能性を見極め、失敗した場合の損失の大きさを考慮します。失敗してもリカバリーできる範囲内でリスクを取り続ける事で持続的な成長が期待できます。

勝率だけでなく期待値を見極めることも重要です。成功した際のリターンや失敗した場合のコストを総合的に考え、成功した際の期待される価値を把握する事が需要です。

現代ではリスクに対する勝率や期待値を見極めるバランス感覚が重要になってきています。

この考え方は自己への投資と考える事ができ、投資をし続けた者が10年後・20年後に大きなキャリアを得ることが出来ます。

まとめ:若手が考えるべきこと

大手企業とベンチャー企業、安定な選択とリスクを冒す選択の間には、それぞれのメリット・デメリットが存在します。安定性とリスクの選択で揺れ動く若手にとって、キャリア選択は個々の価値観や状況に合わせて1人1人が考える必要があります。

この記事では以下について考察しました。

・大手企業 vs ベンチャー企業

 大手は安定しているとは言い切れなくなった。

・安定な仕事選択 vs リスクを取る勇気

 仕事は1つではなく、安定した仕事と成長のための仕事を使い分ける。

・現代に求められる、リスクを取る際のバランス感覚

 リスクを取って失敗し、初めて成長が得られる。リスクとリターンを見極めた自己投資を。

大企業にいる人でも、自分への投資をし続けた者が10年後・20年後に大きなキャリアを得ることを忘れずにチャレンジする事を忘れてはいけません。

自分への投資というのは知識の習得だけではありません。
下記のような無形資産全般が将来の自分への糧になります。

・特定の業界や技術分野での実業務経験
・学会や特許など、個人名で公開できる成果
・資格
・人脈

最終的には、自身の目指すキャリアの方向性やその時の気力、体調に合わせてリスクと安定のバランスを見つけていくことが重要です。

つまり、将来の自分にとって意義ある選択をするために、定期的な自己分析と冷静な判断が欠かせません。

おわりに

当ブログでは大企業と中小企業の違いなど、様々な視点で記事を書いています。

気になったタイトルがあれば読んでみてください。

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最後まで見て頂き、ありがとうございましたm(_ _)m

おわり。

この記事を書いた人 Wrote this article

kenshi2009

大企業と中小企業🏢で半分ずつ働いている40代の現役エンジニア🔧💻 この変わったキャリアで誰かの役に立ちそうなことを発信します。電気通信分野で量産開発と研究開発、ハードウェアとソフトウェア、プレイヤーとマネージャー、全て練り歩いてきました。ブログ歴も23年、奈良好き🦌 Twitterにほぼ毎日います!【SNS一覧:https://lit.link/kenshi2009】