【実体験談】ハイクラス転職エージェントのレビューで良くあるメリットデメリットは本当か?

良く言われる、転職エージェントを利用するメリット・デメリット。
- 自分のキャリアに合った転職先を提案してくれる
- 面接対策ができ、選考通過率がアップする
- 内定決定後もサポートしてくれる
- ・・・
だいたいのWebサイトやブログで同じようなことが書いてあります。
なぜ同じなのか?
「転職エージェントを利用するメリット・デメリット」という記事を、転職エージェント自身が発信し、Google検索のトップに出てくるようにしているからです。
また、700万円以上のハイクラス転職エージェント紹介!と言っているようなWebサイトでも、中身は20代向けに書かれているものがほとんどです。
なぜか?
そのWebサイトを運営している転職エージェント自身のメインターゲット(ボリュームゾーン)が20代だからです。
※下記画像も、転職エージェントのWebサイトです。

参照元:https://doda.jp/guide/age/
そのため、実際に40代で転職をした筆者にとって、実態と違い参考にならない事が多かったです。
そこでこの記事では、「転職エージェントを利用するメリット・デメリット」で検索して良く出てくる項目について、40代の転職という目線で見ると実際の所どうなのか、解説していきます。
筆者は20年間エンジニアとして大企業と中小企業の両方で半分ずつ働いており、現場とマネージャも両方経験しています。
若手の頃に小さな企業で数年間ベンチャー精神を味わったこともあり、4つの企業での仕事を経験し、社外団体でも数多く活動しています。
40代が実際に利用して感じた、最大のメリット

最大のメリットは、転職エージェントに蓄積されている統計データを活用できる点です。
以下、解説します。
転職候補先の業界、年齢における年収相場を教えてくれる

40代の転職となると、企業によって年収相場に非常に大きな開き(2倍以上)があります。
転職エージェントの方は大量の転職者からの年収統計データを持っています。
特に大企業は同じ事業所への転職事例なども多いので、その企業の案件をたくさん扱っているエージェントなら応募段階でもかなりの精度で年収の目安がわかります。
また長い付き合いの企業と転職エージェントなら、企業の採用予算状況まで話し合っていることもあります。
個人で相手企業が提示する年収を知るのは、最終面接に合格した後、内定オファーをもらった時です。
個人で採用前に年収の目安を質問して答えが返ってくることは絶対に無いと思った方が良いです。
それっぽい曖昧な返事が返ってきたとしても、お茶を濁されているだけでしょう。
自分の職務経歴書でどういう面談オファーが来るのかを知ることができる

転職エージェントに職務経歴書を登録すると、担当になったエージェントから応募先候補が出てきます。
つまり、自分が作成した職務経歴書が統計的にどのような企業がマッチするのかを出してくれます。
体感として7割程度のエージェントは様子見で良い加減な応募先を提示してくるので、ここではなるべく多くの転職エージェントへ登録し、なるべく多くの担当者から応募先候補をもらった方が良いです。
多くの応募先候補をもらうと、転職エージェントが自分に提案してきた応募先に傾向が見えてきます。
多くの転職エージェントから意見をもらうために、私が最初に登録して便利だったのはビズリーチ(BIZREACH)でした。
ビズリーチは引っ越し屋さんで言う所のお見積り一括サービスのようなもので、色々な転職エージェントからの面談オファーを一度に同じプラットフォームで見ることができます。
これを普通にやろうと思うと、10個程度の転職エージェントに登録して1個1個違うプラットフォームで情報を自分で比較しないといけないので、かなり大変です。
良く言われるメリットデメリットに対する、実際の所

ここからは、Google検索すると良く出てくるメリットデメリットが、40代ハイクラス転職で実際どうなのかを解説します。
良く言われるメリット【〇:合っている、▲:少し違う、×:40代は違う】
【〇】無料で利用できる
多くの物は実際に無料です。BIZREACHについては1カ月~3カ月程度無料でその後は有料なので、私は無料期間中に比較検討を終えて残りはBIZREACHで絞り込んだ転職エージェントで無料で進めました。
【▲】自分のキャリアに合った転職先を提案してくれる
これは、誤解を生む表現だと思います。
「自分の履歴書で統計的に多い転職先を列挙してくれます」が正解です。
キャリアについては自分の主張を持ってハッキリと転職エージェントに伝えないと、満足する転職先は見つからないでしょう。
自分自身を表現し、伝える力が試されます。
【〇】非公開の求人情報が集まっている
特に大企業への転職を狙う方は、大手転職エージェントの恩恵が大きいです。
大企業はどこかの大手転職エージェントと提携していることが多く、人員整理や大量採用をする際に「大型案件」として大手転職エージェントに転職サポートや採用斡旋をしています。
【▲】転職のプロにキャリア相談ができる
営業、マーケティングなど一般論を聞きたい方は良いと思います。
ですが、特に技術系エンジニアの場合は技術のトレンドを知っている転職エージェントなどまずいないので、私は相談しましたが参考になった事はありませんでした。
また、忘れてはいけないのは、「転職エージェントは私たちを転職させることで初めて報酬を得る」ということです。
そんな人のアドバイスで転職するかしないかを決断する事だけは絶対にやめましょう。
【×】職務経歴書等の添削や作成サポートを受けられる
これは完全に20代向けの表現かなと思います。40代では、誤字チェックに少し期待する程度でしょうか。
40代転職者の文章力だと、あまり役に立つフィードバックがもらえないと感じました。
【▲】面接対策ができ、選考通過率がアップする
面接対策は稀にやってくれる転職エージェントはいますが、基本はやってくれません。
面接の心構えみたいなPDFが送られてくる程度です。
選考通過率については、「転職エージェントに気に入られたら」アップします。
転職エージェントが企業に我々の書類を応募する際、企業担当へ伝える内容は非常に重要です。
「こいつはおすすめしづらい」と思われたら、企業に応募する前に転職エージェントが書類で落とすことになり、逆に通過率はダウンします。
【〇】企業との調整を代行してくれる
これは、助かります。
複数企業を受けると、面接日程の調整や応募のメール、面接御礼のメールを出すだけでもかなり大変です。
複数の企業で最終面接が近づいてきた場合、内定を同時期に出すように調整したりする必要も出てきたりします。
一般に内定オファー後の返事は1~2週間以内に行わなければいけない事が多いので、タイミングが合わないと選べたはずの企業が選べなくなってしまうこともあります。
【▲】企業の採用担当者にアピールしてくれる
転職エージェントが特別強く連携している企業相手限定になりますが、企業側が迷っている時にプッシュしてくれたりします。
転職エージェントが大手すぎると、その転職エージェントが強い企業相手だとしても対応が事務的になり、やってくれないことも多々あります。
【▲】企業の内部情報が事前に入手できる
こちらも転職エージェントが特別強く連携している企業相手限定になりますが、企業側が本当に欲しいスキルや別部署のニーズを聞き出したりしてくれることがあります。
転職エージェントが大手すぎると、その転職エージェントが強い企業相手だとしても対応が事務的になり、やってくれないことも多々あります。
【×】内定決定後もサポートしてくれる
全くありません。妄言も良い所です。
転職エージェントが自分で書いたWebサイトだからこのようなメリットが書かれるのでしょう。
強いて言えば転職して、「こいつはもう一度転職するな」を目をつけられたらサポートという名の追跡調査が来るかもしれません(笑)
転職エージェントは転職させることがゴールの人だということを忘れないように。
逆にある会社の内定を蹴って別の会社へ転職が決まった後、蹴った方の転職エージェントからは「最近どうですか?(また転職しないんですか?)」という「サポート」が来ます。
【〇】転職に関わることなら直接関係無い事も相談できる
40代であっても転職のステップは初めて経験するという人も多いので、各ステップのセオリーを色々と聞けるのはそれなりに便利ではあります。
答えの無い悩みを相談しても、当たり障りの無い答えしか返ってきません。
【〇】年収の条件交渉を代行してくれる
これは、その通りです。場合によっては、上位職への交渉もしてくれます。
住宅購入・売却したことのある方は経験があるかもしれませんが、価格交渉を個人が直接やるのはなかなか難しいので、転職エージェントは頼りになります。
【×】現在勤めている会社を円満に退社しやすい
そんなサービスはありませんし、仮にあったとしても大した付加価値ではないように思います。
専門の退職代行サービスもありますので。
Webサイトで調べて出てくる程度の一般的な退職を伝えるタイミングや言い出し方は教えてくれます。
良く言われるデメリット【〇:合っている、▲:少し違う、×:40代は違う】

転職エージェントが作ったメリットデメリットまとめWebサイトに載っているデメリットは、実際にそうだと思う物が多いけど細かい話だな、と思いました。
上位のWebサイトは最終的に転職エージェントに登録させるのが目的なので、当然なのかもしれません・・
【×】自分のペースで転職活動を進めづらい
転職を煽るエージェントは少なからずいますが、強要はされません。
40代でそんなのに流されるようではこの先不安なので、自分でコントロールしましょう。
【〇】希望求人に応募できないケースもある
その通りです。転職エージェントは多数の応募者の面倒を見ているので、イチオシの応募者が応募した所は他の人を応募させない、といった事は普通に行われています。
ですが、個人で見つけられる求人はそもそも少ないですし、デメリットとして気にする程の事では無いと思いました。
【〇】担当者の質や自分との相性次第で満足度が変わる
転職エージェントとの相性は、かなり大事です。
少なくとも、5人以上のエージェントと会話した方が良いです。
【×】担当者との調整が大変
個人でやった方が調整が大変、かつリスクがあると思います。
【〇】サポート期間が決まっているエージェントがある
エージェントによりますが、3カ月や半年で見切りをつけられてしまうことはあり得ます。
私も転職活動をしていて、「3ヶ月以内に決めてくださいね」等と言われたことは無いですが、転職活動が長すぎると急に冷たくなるエージェントは出てくる可能性があります。
【〇】応募まで数日かかる
転職エージェントが年休だったり土日を挟むと遅れます。
が、大した問題では無いです。
【〇】転職エージェントによって強みが異なる
転職エージェントによって業界や企業によって強みがハッキリと異なりますので、しっかりと情報収集して応募することをおすすめします。
その後の面談ステップがスムーズに進むかどうかにも関わってきます。
【〇】気軽に様々な求人情報を見ることができない
基本的に検索自由という感じではなく、転職エージェントが出してきた求人を見る事が多いです。
転職エージェントとのコミュニケーションが重要です。
【×】どこの内定を承諾するか迷ってしまう
転職エージェントに限った話ではなく、個人で応募しても同じかと思います。
勧められた通りに受けまくると内定がたくさん出る事態になる可能性もありますが、1次面接開始から内定が出るまでに1ヶ月程度は時間があると思いますので、その間に第一志望を絞って行ける事が多いです。
まとめ:転職エージェントのボリュームゾーンは20代

本記事では「転職エージェントを利用するメリット・デメリット」という内容で良く出てくるメリット・デメリットが40代のハイクラス転職で実際どうなのかを解説しました。
40代の転職者がかなり増えているとは言え、世の中の転職エージェントのボリュームゾーンはまだまだ20代・30代前半です。
従って、まずは40代で本当に参考になるWebサイトは少ないということを知った上で調べましょう。
筆者の転職時の記事は下記に書いてあるので、読んで頂けると嬉しいです!
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最後まで読んで頂いてありがとうございましたm(_ _)m
おわり。

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この記事を書いた人 Wrote this article
kenshi2009
大企業と中小企業🏢で半分ずつ働いている40代の現役エンジニア🔧💻 この変わったキャリアで誰かの役に立ちそうなことを発信します。電気通信分野で量産開発と研究開発、ハードウェアとソフトウェア、プレイヤーとマネージャー、全て練り歩いてきました。ブログ歴も25年、奈良好き🦌 Twitterにほぼ毎日います!【SNS一覧:https://lit.link/kenshi2009】